(1)ORIXのIR事業は井上社長が主導 ヘッドクォーターは入江CFO 実働部隊は「関西コンセッション」チーム

 そんな中、ORIXは今年(2019年)3月、世界的なIR事業者、米「MGMリゾーツ・インターナショナル」と提携し、大阪IR事業への参入に名乗りを上げた。〈カジノ部分はMGM、IR全体の運営はオリックスを含む企業共同体が役割分担する〉とされている。

【参考記事:オリックス IR参入へ 国内初、大阪で米MGMと提携(20190322 日経)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42765770S9A320C1AM1000/】

 前出の金融業界関係者によると、前述の「関空コンセッション」は宮内氏の希望だったが、今回の「大阪IR」への参入は井上氏の主導。井上氏がIRに注力しているのは「IR建設予定地の夢洲は、関西エアポートが一括運用している神戸、伊丹、関空のほぼ真ん中に位置し、どの空港からアクセスしてもORIXの利益につながるため」だという。

 そしてORIXでは、前述の「関空コンセッション」を取りまとめた入江CFOをヘッドクォーターに、入江氏の下で関空を担当したチームが実働部隊として動いているという。

(2)一方の「関西財界」の現状は……

 一方の関西財界は、「近鉄」などの鉄道会社を中心にIR事業に関心を持つ会社もあるが、レピュテーションリスクを気にして自ら手を挙げない、挙げにくいという雰囲気があるという。さらに関西財界の中には「空港は公共インフラだが、IRは賭博場も含むことから微妙……」としてIR事業自体に距離を置く、あるいは冷めた目で見ている企業もあり「関西財界」として一枚岩でまとまっているわけではないという。

 前出のメガバンク関係者は現状を次のように解説する。

「その点、ORIXは賭博事業に関わるというレピュテーションの低下など一切気にしない会社なので、イケイケドンドンで進めている。よって関西財界の中には『ORIXが前面に立ってくれるのならありがたい』と歓迎する向きもある。しかし、実際のところ、本音としては、自分たちのコントローラブルな、もっと毛並みのいい企業、例えば『三井不動産』といった大手不動産会社や、『住友商事』といった総合商社が名乗りを上げてくれないかと期待しているところ(関西財界内の大企業)が大半だ。が、少なくとも、三井不動産は社としてギャンブルはやらないという方針で、その可能性は極めて低い

 またSMBCが(ラスベガス・)サンズを担ぎ出そうとしている――という情報もあるが、荒っぽく、向こう傷は問わないORIXには到底、太刀打ちできないだろう」

 また前出の金融業界関係者によると、ORIXサイドも今回の大阪IRを巡って、自分たちに対するネガティブキャンペーンやディスインフォメーションがあるのは承知の上だが、「関空コンセッションの時と同様、降りるという選択肢も発想も無い」という。むしろ関空のコンセッションでORIXは外資と組むタフさも身に着け、「ORIX幹部によると『植民地経営丸出しのフランス人(ヴァンシィ)よりよっぽど、アメリカ人(MGM)のほうがフェアだ』そうだ(笑)」(同前)